#14 手間のかかる作業はAIに~無料版ClaudeのProject機能
- endaenglishlab
- 2 日前
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Note: 今号は、遠田先生にご指名いただき、運営者の永野がAIの使い方について書きました。My Storyはお休みです。来月からまた復活しますのでお楽しみに!
手間のかかる作業はAIに~無料版ClaudeのProject機能
無料版の Claude や ChatGPT を、調べものや"壁打ち相手"に使っている方は多いと思います。今日は、その無料版のAIをもう一歩頼れる存在にする Project(プロジェクト)機能 をご紹介します。2026年の初めから、無料プランでも使えるようになりました(ただし機能に制限があります)。
※ 似た機能は ChatGPT にもあります。ただ私自身は、長い文章をまとめて扱うのが得意な Claude を愛用しているので、ここでは Claude でご説明します。
はじめに、ひとつ。今日のお話は、「AI に翻訳させる」話ではありません。 訳す(書く)のは、これまでどおり皆さんご自身です。AI に引き受けてもらうのは、用語の統一・過去訳(対訳表)との照合・表記のゆれ・訳抜けをチェック、といった、時間がかかるし神経もすり減らす「確認作業」の方です。頭を使う創造的な部分は翻訳者(ライター)に残したまま、手間がかかるが機械的な確認作業のみを AI に肩代わりさせる、というイメージです。

💡Project とは、「資料を開いたまま載せておける作業台」
「Project 」とは、よく使う資料を開いたまま載せておける、自分専用の「作業台」のようなものです。この機能を使うことにより、「用語は○○で統一して」と毎回チャットに入力しなくて済むようになります。作業台に載せられるのは主に下記の2つです。
① Instructions (指示書)=全チャットに適用される常設の指示書
② Files (参考ファイル)=用語集、対訳表、業界基準やガイドラインなど「正」となるもの

💡翻訳を、AIでチェックさせる
用語や表記が揃っているか・・長い原文ほど、チェックするのは骨が折れます。
そこでまず、上述の通り、Files(参考ファイル)に「○○用語集」「○○対訳表」「○○業界の基準・ガイドライン」など、「正」となる資料を入れておきます。そのうえで、Instructions(共通の指示書)に下記の様に書いておきます。
Instructionsの例
あなたは翻訳のチェック担当です。
私がチャットで渡す原文(日本語)と、その訳文(英語)を突き合わせてチェックして。
・参照先:参考ファイル(Files)の「○○用語集」「○○対訳表」「○○業界の基準・ガイドライン」
・チェックする点:参考ファイルと食い違う訳文・用語、表記ゆれ、訳抜け、誤訳
・出力:問題のある箇所だけを、表にまとめる
(各文=No./ページ・スライド/原文の該当箇所〔抜粋〕/私の訳/問題点/修正案)
あとは毎回、チャット欄に原文と自分の訳を渡して「Instructionsに基づいてチェックして」と送るだけ。すると、こんな表が返ってきます。ページやスライド番号付で表にしてくれるので、該当箇所がすぐ分かります。下記はサンプルです。
No. | ページ | 原文の該当箇所 | 私の訳 | 問題点 | 修正案 |
1 | p.2 | ビールの原料である大麦 | barley, the raw material of beer | 用語集では「原料」=made from / ingredient。raw material は不統一 | barley, an ingredient of beer |
2 | p.2 | メソポタミアが発祥の地とされる | is said to be the birthplace | 用語集では「発祥」=originated。birthplace は不統一 | is said to have originated in Mesopotamia |
3 | p.3 | 野生の穀物を採取して | gathering wild cereals | 対訳表では「穀物」=grain。cereals は表記ゆれ | gathering wild grains |
私がClaudeを選ぶ理由は、一度に扱える文章量が非常に大きいからです。長文ファイルや複数の資料を同時に作業台へ広げた状態でも、最後まで一貫してチェックを通せることが多いです。もちろん、最終的な採否を決めるのは人間です。AIはあくまで問題点を指摘する存在であり、修正するかどうかを判断するのはどこまでも人間です。
💡AIが見落とすとき ― "作業台"の広さの話
でも実は、ただ「チェックして」と頼むだけでは、用語集等との食い違いを一度で拾い切れないことがあります。理由は、先ほどの"作業台"で考えると分かります。
AI が一度に正しく結果を出力できるかどうかは、作業台の"広さ"が関わっています。原文、訳文、用語集、ガイドライン等を全部この台の上に広げて一気に見比べられれば、用語のズレや漏れもなく、問題を一度に拾えます。しかし台が狭いと、資料が全部、載りきりません。例えば用語集だけは"別の台"に置かれ、AI は「必要そうなとき」だけ、そちらをちらっと見に行く程度となります。特に処理しなければいけない情報量が多いと、意味の確認を優先して、用語集との照合が弱くなってしまうことがあるのです。
この作業台の広さが、無料版と有料版で違います。 有料版は台が広く、用語集まで一枚の台に載せて一気に目を通せるというイメージです。しかし無料版は台が狭いので、用語集だけが"2台目の作業台"に分かれやすく、一度にAIが見渡せる範囲が限られます。だから同じ「チェックして」と言っても、無料版のほうが見落としが起きやすいのです(資料の量が多ければ、有料版でも起こります)。

防ぐコツは2つ。
① 用語集とのチェックだけを、独立した作業(チャット)として頼む
意味の確認と混ぜず、チャットで「用語集と訳文を照らし合わせて用語集の言葉がきちんと使われているかチェックして」と頼みます。
② 大事な用語集は、チェックのときにチャットへ直接貼る
参考ファイルに置くだけでなく、その場でチャットに貼れば、狭い台でも必ず"作業台"に載ります。
💡まずは無料版の Project から
有料版には、ローカルのフォルダを処理できる Claude Cowork Desktop(先日のセミナーで実演)など、より便利な機能があります。しかし有料を契約するのにハードルを感じる方もいらっしゃるかもしれません。そんな方はいきなり有料版を申し込む必要はありません。まずは無料版のアカウントを作り、Project に用語集を渡して、ご自身の訳をチェックさせるところから始めてみてはいかがでしょう?Project機能を使って機械的な作業はAIに任せ、人間は創造的な仕事に注力する・・これが理想的なAIの使い方だと思います。もし皆さんの中にも、「○○の作業はもうAIに任せている」や、「こういう作業をAIに任せたい」というものがあれば、ぜひ下のチャット欄で教えてくださいね。皆さんと一緒に、AIの便利な使い方を考えていけたらうれしいです。
⇒コメント欄へ
遠田コメント
永野さんが紹介してくれたProject機能はとても便利そうですね!
皆さんは翻訳・英文ライティングにおいてAIをどのような形で使っていますか?私は事実の調査や、いわゆる「壁打ち」で英文法・表現・レジスタを確認するのに利用しています。ChatGPT(有料版)の他、最近はClaudeにいろいろ聞くことが増えてきました。Claudeは文書処理能力が高いなと感じます。複数のAIを試して異なる特性を知ると、specificな用途に合わせてAIを使いこなせるかな、と思います。
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以下、遠田先生から皆さんへ、セミナーのご紹介です。
2026年後半に予定されているセミナー・講座の案内です。皆さんもお気づきと思いますが、今年の私のテーマはパワーポイントなので、関連セミナーや講座が多いです。よろしくお願いします!
<サン・フレア アカデミー>https://www.sunflare.com/academy/
1.『パワーポイント(PPT)の英訳に必須のスキルを学ぶ』
8月29日(土)10:00~12:00、金額¥9,900
*英語LABで使用したものとは別の資料を使います(ただし伝えるエッセンスは同じ・スライド数枚は流用)。
2.短期講座 「PowerPoint翻訳講座」
(新シリーズ、4回セット、金額等は後日Websiteで公開)
9月24日(木)19:00~21:30
10月8日(木)19:00~21:30
10月22日(木)19:00~21:30
11月5日(木) 19:00~21:30
<日本テクニカルイングリッシュ協会>https://www.teaj.or.jp/
まだ申し込みはまだ始まっていませんが、近日中に受付が開始される予定です。下記のリンクをご確認ください。https://www.teaj.or.jp/seminar/
1.『遠⽥和⼦先⽣の⽇英技術翻訳 中・上級スキルアップ―「⼈」のスキルを後世に伝える』
10⽉10⽇(⼟) 14:00-16:00 一般 ¥10,000 会員 \9,000
2.『英語でロジカル・シンキング―英語で話す・書く・プレゼンするためのコツ』
11⽉28⽇(⼟) 14:00-16:00 一般 ¥10,000 会員 \9,000
♣運営者より
🍀 初心者向け Claude AIオンラインセミナー(他ツールもご紹介)開催予告
次回のニュースレターにて、「初心者向け Claude AIセミナー」の詳細をご案内いたします。講師は運営者の永野が務めます。基本的な機能のご紹介から、先日のPowerPoint翻訳セミナーでご紹介した「Claude Cowork Desktop」の活用法、さらに英文作成に役立つ他のAIツールまで、幅広く解説する予定です。
【概要(予定)】
開催時期: 9月26日(土)14:00~15:30 セミナー、15:30~16:00 意見交換会
受講料: 2,000円 ※7/18セミナーをご受講された方には【半額クーポン】をお送りします。
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