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#3 Kick-off 勉強会

目次



♣ はじめに

猛暑の毎日が続いていますが、お元気にお過ごしですか。 7月26日(土)に記念すべき Kick-off 勉強会が無事開催されまし た。暑い中、集まっていただいた皆さんに感謝です。さまざまな質問やコメン ト、さらにツッコミがあり、やはり対面は「楽しい!」です。ほんの一部ですが 当日の内容を紹介します。

 

♣ Topic Kick-off 勉強会


今回は琉球の食に関する本『大琉球料理帖』(高木凛著)から、沖縄を 代表する食材である豚肉に関する文章を抜粋し、課題としました。これは、 私が初めて一冊全部を英訳した本です。意味を推測さえできない古文書の 言葉がたくさん使われていて、翻訳人生で最も難しい翻訳でした。たとえば、 たった一語の「虫」が何を意味するのか調べるのに一か月かかりました。琉球 専門家のアドバイスを受け、ネイティブチェックやエディターによる直しを経た末 に英訳版 Traditional Cuisine of the Ryukyu Islands が出版された ときは嬉しかったです。そして困難極まる仕事を終えたとき「翻訳者として一皮 むけた」を実感しました。

勉強会の課題文には「本土」と「国内」の2語が登場し、どんな訳語を当てる べきかについて考えました。 まず沖縄に対する「本土」をどう訳すかです。the main islands of Japan の訳がありました。これは実際にどこを指すのでょうか?日本の main islands と言えば、北海道・本州・四国・九州の四つ島を言うことが多いで す。沖縄県とそれ以外の日本を指すときは、the mainland of Japan や mainland Japan, the Japanese mainland など ”mainland” を使 う表現が多く使われています。ただ、本土と沖縄を対比するのに前者を mainland と呼ぶと、「沖縄が sub であるかのような印象を与えないか?」と いう質問がありました。このような語に対するセンシティビティは、「誰をも排除しない」というインクルーシブな観点から大事です。「本土」を mainland Japan と訳すのはごく一般的ですが、沖縄の歴史を鑑みたとき、配慮が求めら れる文脈があるかもしれません。

「国内」については、次の文で使われていました。(沖縄で年末に豚肉の需要 が高まる、という文に続いて)「県産豚はもとより国内産でも間に合わず、海外 から輸入するほとです。」ここで沖縄産(pork produced in Okinawa)に続 けて「国内産」を字面だけ見て domestic production などと訳さない注意が 必要です。沖縄は日本の都道府県の一つですから、沖縄県での生産は domestic production です。そのため沖縄県産と対比する「国内産」の訳 は、produced on the mainland (本土で生産)/in other prefectures (他県で生産)/across Japan(日本各地)などとし、逐 語訳に陥らない工夫が必要です。 通常の翻訳でも「国内」が出てきたら「誰の視点で国内なのか」を考えて訳出し ましょう。

「国内市場では、コーヒー豆の価格が上昇している」 Prices of coffee beans are rising in the domestic market. 海外の読者がこの英文を読めば、domestic market は自分が住んでいる 国の市場だと思います。誤解を防ぐためには 「国内」が 「日本」であることを明 示します。

Prices of coffee beans are rising in the Japanese market.

翻訳では「読者の視点」を考えるが大切です。

ご意見・ご質問をぜひこちらからの📃フォームからお寄せください




♣ セミナー他のお知らせ


「インクルーシブな英語」
日本テクニカルイングリッシュ協会(TEAJ)主催 2025 年 8 月 30 日(土)14:00~16:00 https://www.teaj.or.jp/seminar/#seminar_8

本ニュースレターの読者に限り、先着 3 名様を無料招待します。
詳しくはメール 本文をご参照ください。

「英語パブリックスピーキングの極意+プレゼンスライドのコツ」

日本テクニカルイン グリッシュ協会(TEAJ)主催
2025 年 9 月 27 日(土)14:00~16:00

♣ 運営者より


先日 7 月 26 日に開催した、記念すべき第 1 回の勉強会&交流会が無 事に終了しました。ご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。

これまでメールでのやりとりのみだった方々と直接お会いでき、たくさんお話がで きて、私自身、本当に楽しい時間を過ごさせていただきました。そして、開催 にあたり快くお手伝いくださった皆さま、本当にありがとうございました!

会場で特に印象に残っているのは、第一線の翻訳者の方々も、真摯にメモ を取りながら学ばれるその姿です。 その光景を前に、私も「語学の道は、まさ に一生勉強だな」と、改めて背筋が伸びる思いでした。

さて、興奮さめやらぬ中ですが、次回のイベントのお知らせです! 遠田和子の英語 LAB では、11 月 8 日に長年、日英翻訳者・エディターと して活躍している岩渕デボラさんをお迎えして、オンラインセミナーを開催するこ とが決定しました!
詳細は 9 月頃のニュースレターでご案内できる予定です。どうぞ、楽しみに!



ご意見・ご質問はぜひこちらからの📃フォームからお寄せください。 お待ちしております。



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